B級万歳!
今回はマイナーな音楽の話題。少し前に2度も「アングラ万歳!」と
やっていたが、流石に「続々・アングラ~」とやるのは正直苦しいところ。
”アングラ”という程の音楽性でもなく”B級”とやるのが妥当と考え、
今回は「B級万歳!」というタイトルでマイナー・プログレバンドをご紹介。
Sindelfingen / 'Odgipig
(輸入盤 Minority / カタログNo Minor.279)
『ジンデルフィンゲン』とはドイツの都市の名前だが、英国のバンド(笑)
1969年から5年程ひっそりと活動し、ひっそりと消えていったバンドのようだ。
この「'Odgipig(”オッジピッグ”と読むのだろうか?)」は1973年にバンドが
99枚だけ自主制作で作ったアルバムになる。原盤は超・プレミア品である。
10年程前に、英国のKissingSpellレーベルからCDとLPで復刻されている。
その際には74年に録った曲が1曲追加されていたが、今回の復刻盤には
それが無い代わりに72年(75年説在り)に出したライヴ盤が収録されている。
肝心の内容だが、フォーク・ロック寄りな音作りで構成されている。
アコギ・エレキに並んで、グロッケンシュピールが鳴っているから驚き。
変拍子やキメを多用するので、プログレっぽいがロックとは少し違う。
クラシックからの引用があったりするのでちょっと格調高い気もするが、
バタバタと忙しく演奏する辺りには格調高さは微塵も無い(褒め言葉/笑)
もう少しだけ演奏が落ち着けば、A級品なレベルになれたかもしれない。
あと、演奏が激しくなった時に音がやや割れ気味になるのが残念。
(これは当時の自主制作の”壁”だろう、非常に残念でならない)
静動のバランスがやや大袈裟な気もするが、そこが彼等の個性だろうか?
「Three Ladies」「Perpetual Motion」辺りはB級好きならガッツポーズ必至。
ボーナス収録されているライヴ音源だが、これは評価が難しい。
本編とは曲も内容も違い、アングラなインストのオンパレードなのだ。
72年に出した「トライアングル」なるライヴ盤からの音源のようで、
フルートを絡めた根暗なプログレ・ハードみたいな音楽をやっている。
本編のフォーク寄りな音ですら激しかったドラムが、完全にHR化。
グネグネとうねるエレキと合わさり、凄まじくアグレッシブな事になる。
フルートやピアノ、マラカス(!)が飛び出したり、急にHR化したり
これはなんとも形容し難い音楽だ。これ本当に72年のバンドか?
『ブラック・サバスとコウマスが、かび臭い倉庫で夢の競演!』
…とでも言えば、この形容し難さがわかっていただけるだろうか?
音も完全にブートレベルで、商業的な質・聴き易さは全く無い。
KCの「アースバウンド」よりも、さらに輪をかけて音が悪い(苦笑)
ただ、このボーナス音源が72年収録・発表とするなら興味深い事だ。
アングラなHRをやっていたバンドが、フォーク・ロック化したのだから。
もしくは75年説をとるならフォーク・ロックからHR化した事になる。
どちらにしても、少し”オーパーツ”と感じるような楽曲・演奏なのだ。
彼等は演奏能力も殆ど問題ないし、何故消えていったのだろうか?
どこかのレーベルで拾ってあげていれば、名前を遺せたかもしれない。
ちなみに、個人的に残念なのは上記の復刻した際のジャケット。
Kissing Spellが復刻した際のジャケットの方がいい感じなのだ。
それが↓コレ。皆様は、上記のジャケットとどちらが好みだろうか?
個人的には、この安っぽいジャケットの方が良かったと思う。
それと、CDの収録時間ギリギリまでボーナスを詰め込まずに
「'Odgipig+Triangle」とでもして、2枚組復刻なら完璧だった。
(実際、少数だが2枚組LPでの復刻盤があったようだし)
オマケとして、ボーナス収録の「Triangle」のジャケットを貼っておく。
これだけ実力があっても、評価されずに消えていったバンドが
存在するというのはなかなか不思議なものだ、と作品を聴いていて思う。
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